メディア分析ラボ #13 「なぜプラスサイズマーケットが拡大しているのか」

メディア分析ラボ #13 「なぜプラスサイズマーケットが拡大しているのか」

2018年5月17日
場所:Sansanセミナールーム

一昨日の開催イベントはこちら。

メディア分析ラボもコツコツと回を重ねて13回目。
ぶんか社でラ・ファーファ創刊編集長の今さんをゲストにお招きし、「なぜプラスサイズマーケットが拡大しているのか」と題して開催。

プラスサイズマーケットの変遷を切り口に、、

・グローバルではどう捉えられているか
・ファッション誌における取り上げられ方の変遷
・アパレル各社のスタンス
・メインラインナップ「以外」をどう捉えるか
・ダイバーシティ観点

などなどについてお話しましたよ。


【開催概要】

「ぽっちゃりした女性」が最近、おしゃれになりました。着たい服を着て、街を闊歩しています。でも、ぽっちゃりした女性が「着たい服」を着られるようになったのは、実はとても最近のこと。なぜなら、長い間、サイズ的に「着られる服」しか市場に出回っていなかったからです。「着られる服」のデザインは、あまり楽しいものはなく、種類もほんの少ししかありませんでした。さらに、大きなサイズコーナーは普通サイズコーナーと離れた場所に隔離されており、「普通サイズ」の人々にとっては「他人事」で、「着たい服」が着られない不便について、当事者以外は誰も気に留めていませんでした。それは、アパレル業界や小売業界も、です。「太っているのが悪い。着たい服があるなら痩せろ。“規格外”の面倒を見ている暇はない」とでもいうように。

だけれども、多少太っていると全然おしゃれできない、というのは理不尽な話です。「世界に一つだけの花」には「一人一人違う種を持つ」という歌詞があり、みんな、感動していたじゃないですか。体型も「個性」の一要素。「もともと特別なオンリーワン」です。

ところが、2000年代初期にニッセンと伊勢丹が後に「プラスサイズ」と呼ばれる市場に風穴をあけました。2010年代には、ぽちゃカワ女性のファッション雑誌『ラ・ファーファ』が創刊しました。アメリカではプラスサイズモデルのアシュリー・グラハムが大ブレイクをしてセレブの仲間入りを果たしました。国民的ブランドのユニクロも遅ればせながら、プラスサイズマーケットに殴り込みをかけるように、今ではほぼすべての製品を3Lサイズまで揃えるようになっています。つまり、厳しい岐路に立っているアパレル業界の中で、数少ない確実な「伸びしろ」としてプラスサイズマーケットが認識されてきたということでしょう。

大きいサイズの服なのに店のはじっこにひっそりと置かれて存在が見えづらかったプラスサイズマーケットは、ついに、可視化されたのです。

そこで、革新的だったラ・ファーファの創刊に尽力された元編集長の今晴美さんをゲストにお招きして、プラスサイズマーケットのこれまでとこれから、について語り合いたいと思います。中沢が何度か記事化してきた得意テーマでもありますので、特に「普通サイズ」の皆さんにぜひお越しいただき、プラスサイズマーケットの未知の世界について知っていただけたらと思います。マーケティング関係者にもなんらかのヒントになるはずですし、社会学的にも興味深いテーマかと思います。

2018年4月 ライター 中沢明子

【ご参考】
今、注目のトレンド「ぽっちゃり女性」が熱い!
http://president.jp/articles/-/12599

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◆ 開催情報
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日時: 2018年5月17日(木)19:30~21:00 (開場19:00)
会場: Sansan株式会社セミナールーム
アクセス: 東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル13F
参加費: 1,000円(税込) ※領収書の発行はありません
定員: 30名程度

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◆ タイムテーブル
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19:00 開場
19:30 開演
■テーマ「なぜプラスサイズマーケットが拡大しているのか」
<パネリスト>
・『ラ・ファーファ』創刊編集長 今晴美氏
・ライター・出版ディレクター 中沢明子氏
(『遠足型消費の時代』 『埼玉化する日本』著者)
<司会進行>
・Sansan名刺総研所長 日比谷尚武

イベント詳細