広報業務におけるAI活用の現在地!?

広報の現場でAIが活用されるシーンが増えています。ChatGPTやGeminiのような生成AIの進化により、業務の効率化や新たな発想の創出が可能になっています。しかし、一方で「AIをどこまで信頼できるのか?」「どの業務に活用すべきか?」といった疑問も尽きません。
先般は、PR協会主催の会合でPR会社の皆さんと意見交換をする機会がありました。そこでもAI活用の話題が上がり、「使わないと非効率」「それでも人がやるべき領域はどこか?」などが話題になっていました。私自身も広報支援の現場でAIを活用することで、大幅な時間短縮や新しいアイデアを得る機会が増えており、すでに手放せない存在になっています。
そこで、広報業務におけるAI活用の現状と課題、そして今後の可能性について考えてみようと思います。
AIが得意な広報業務とは?
さっと思いつく範囲だと、こんな感じ。ルーチンワークに近い手間&時間がかかる業務を効率する系ですね。
- プレスリリースの作成補助
AIを活用することで、プレスリリースのたたき台を短時間で作成しちゃう。特に、定型的な発表(新製品リリース、イベント告知など)には向いてる。他方で、企業独自のトンマナやブランドストーリーを反映させるには、最終的には人の手による編集が必要。 - メディア分析・リサーチ
膨大なニュース記事やSNSの投稿を短時間で解析し、トレンドや競合の動向を分析できるのはインパクトでかい。効率よく情報収集し、生じた時間でより戦略的なアプローチを検討できるようになりますな。 - SNS投稿の最適化
SNS投稿の原案を生成したり、過去のデータをもとに投稿のパフォーマンスを分析したりすることもAIの得意分野。特に、投稿のタイミングやハッシュタグの最適化など、データに基づいた改善が可能になるのはでかい。(過去の投稿データが蓄積されており、そいつを食わせられえるとベター。データがなくても他社の投稿などを分析させてもよい)
AIでは難しい領域とは?
一方で、AIだけでは対応しきれない領域もありそう。
- 企業のパーソナリティを表現する文章
AIはデータをもとに文章を生成してくれますが、企業独自のトンマナや、ブランドのストーリーを細かく表現するのはまだ苦手かも。微妙なニュアンスや感情を込める文章は、人の手による調整が必要。 - 危機管理対応
クライシス対応では、感情や状況を慎重に判断し、適切なメッセージを発信することが求められます。し、考慮すべき外部要因が多く、AIが提案する対応方法やメッセージをそのまま使うのはリスクがありそう。 - パーソナルな関係構築
メディアとのリレーション構築や、記者との対話は信頼関係が重要。(いや、記者に限らず人と人の関係においては、、ってことかもしれない。)暗黙の了解や、表に見えていない部分で、実は共通点があったり、想定の枠を超えた働きかけが功を奏するケースもあったりもするので、AIに任せるのではなく、人が直接コミュニケーションを取るべき領域かなぁ。
AIを活用するためのポイント
AIを広報業務に活かすには、「AIに何を任せ、人がどこで価値を発揮するか」を意識しておくのが大事そう。そして何より試行錯誤してトライアルを重ねることが大事と思われます。トライアルを経て、私が日常的に使っているケースをいくつか紹介しますね。
- “たたき台”として使う
AIに作ってもらった文章を最初の下書きとして活用し、最終的には人間が手を加えるのがよさげ。 - データ分析してもらい、戦略を洗練する
AIのデータ分析力を活かし、競合の動向分析、メディアのトレンド、SNSでの動向把握などなどを整理してもらいます。最終的に、自社の発信したいメッセージやコンテンツとの相性や、どうアレンジするかまでアイデアをもらうことまでできちゃいます。 - メディアや顧客との対話は“人”の役割
AIはあくまで補助ツール。記者対応やステークホルダーとの関係構築は人が行う!ただし、相手の直近の発信とか、所属する業界動向を調べたりするなどの”予習”はAIに手伝ってもらう。
まとめ
広報業務におけるAI活用は、すでに多くの場面で実用化されつつあります。しかし、「AIに任せる部分」と「人がやるべき部分」をしっかり見極める必要がありますね。
上手く活用すれば、業務の効率化だけでなく、新たなアイデアの創出や戦略の精度向上にもつながります。当面は、「AI+人間」の最適なバランスを探り続けていくことがカギになるんだろうと思っています。