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「広報の貢献度」をどう説明するか。宣伝会議の講座で受講者のみなさんと考えたこと

先日、宣伝会議で「広報の貢献度を社内に説明するための広報PDCA設計講座」を担当しました。講義時間は4時間。メーカー、金融、食品、インフラ、サービスなど、さまざまな企業の広報担当者にご参加いただきました。

広報活動をどう経営・事業課題へ結びつけるか。
掲載件数以外に何を成果として捉えるのか。
そして、その成果を経営や他部門へどう説明するのか。

これまで私自身が実務で試行錯誤してきた内容を、4時間かけてお話ししました。

きっかけは『広報会議』への寄稿

今回の講座は、以前『広報会議(2025年12月号)』に寄稿した記事がきっかけでした。

記事のテーマは、「バルセロナ原則4.0から読み解く広報の未来――“露出係”ではなく、経営に資する“機能”へ」

記事では、「広報は何の課題に貢献するのか」という視点から、広報の評価方法を整理しました。

ありがたいことに、その記事をご覧いただいた編集部から講座のお声がけをいただき、今回の開催につながりました。

記事では考え方を整理しましたが、講座ではそれを自社の課題やKPIへ落とし込むところまで扱いました。

AI時代に求められる「設計」と「評価」

講座の冒頭では、

AIによって広報実務は大きく変わる、

という話から始めました。

プレスリリース作成や情報収集、クリッピング、SNS分析など、これまで時間をかけていた業務は急速に効率化されています。

一方で、

  • 何を目的に活動するのか
  • 誰に働きかけるのか
  • どんな変化を成果として考えるのか

AIの支援を受けられる領域は広がっていますが、何を目的とし、誰にどんな変化を求め、その結果をどう解釈するかは、広報担当者が責任を持って判断すべき領域です。

そんな問題意識を前提に、講座は3部構成で進めました。

広報を経営・事業課題から捉え直し、成果の測り方を学び、自社のPDCA設計へ落とし込む3部構成で進めました。

講座の最後は、自社の広報PDCAを設計

講座の最後は、自社や担当事業を題材に、広報PDCA設計シートを作成していただきました。

施策から考えるのではなく、

  • どの課題に取り組むのか
  • 誰に働きかけるのか
  • どんな変化を期待するのか

を整理し、その変化を確かめるための指標や評価方法まで一枚にまとめます。

PDCAは、施策を実施した後に数字を集計するためのものではありません。

施策前に仮説と評価方法を決め、実施後に「仮説のどこまでが正しかったのか」を検証し、次の施策につなげるものです。

施策から考えるのではなく、課題、相手、期待する変化を起点に、仮説・指標・改善までを一続きで設計します。

質疑応答から見えた、広報担当者の悩み

今回は後半に質疑応答の時間を多めに設けました。

予定時間いっぱいまで、多くの質問をいただきました。

印象的だったのは、講義内容の確認ではなく、

「自社では、どう考えればよいか」

という実務に踏み込んだ質問がほとんどだったことです。

例えば、こんなテーマです。
(当日の質問を、趣旨を変えない範囲で整理・要約しています。)


広報担当者の共通課題「評価の難しさ」

中でも印象的だったのは、「認知向上」という言葉を、そのまま目標にしてしまうのではなく、

「誰に、どんな認識や行動の変化を期待するのか」

まで具体化しないと、KPIもPDCAも設計できない、という議論でした。

また、

OuttakeとOutcomeの違いや、
本音・インサイトをどう収集するか
広報の貢献をどう社内へ説明するか

など、どれも日々の実務に直結するテーマばかりでした。


「ちゃんと伝わっていた」と感じられた時間

講師として一番嬉しかったのは、

質問の多くが、「スライドの意味」とか「フレームワークの解説」ではなく、
「自社ではどう活用すればよいか」という内容だったことです。

参加者の皆さんが、自社や担当事業へ置き換えながら考えてくださっている。
その様子を見て、今回伝えたかったことは、きちんと届いていたのだと感じました。

同時に、私自身にとっても非常に学びの多い時間でした。


次のテーマは、「測定した成果を意思決定へどうつなげるか」

ありがたいことに、

今回の講座と、元になった記事をきっかけに、新たな寄稿のお話もいただいています。

テーマは、「測定した広報成果を、どう社内の意思決定につなげるか」です。

実績報告を仮説検証報告へ変える方法や、
同じ成果データを経営、営業、人事、IRなどへどう翻訳するかについて、今回いただいた質問も反映しながら整理していきたいと思います。

測定した成果を、観測・解釈・改善までつなげることで、広報報告は組織の意思決定に役立つものになります。

今回改めて感じたのは、

記事を書く。
講義で話す。
参加者から質問をいただく。
その問いを受けて、さらに考えが深まる。

この循環が、私にとって知見を更新する大切なプロセスになっています。ありがたや。

ご参加いただいたみなさま、そしてこのような機会をいただいた宣伝会議のみなさま、ありがとうございました。

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日比谷尚武

日比谷尚武(ひびや なおたけ)

合同会社kipples 代表 / PRコンサルタント

慶應SFC卒。Sansan株式会社などを経て2016年kipples設立。スタートアップから上場企業・行政機関まで、広報・P R戦略の立案から実行支援まで幅広く手がける。