広報会議(2025年12月号)に、「広報と経営をつなぐ効果測定」というテーマで寄稿しました。

「広報は経営の一部」と言うけれど、現場はモヤモヤしている
広報会議の最新号(12月号)で、「広報と経営をつなぐ効果測定」というテーマで寄稿しました。
ここ数年、いろいろな会社の相談に乗っていると、最初の5分くらいでだいたいこんな会話になります。
- 「広報は経営とひもづけないといけないですよね」
- 「とはいえ、うちではまだ分断されていて……」
- 「とりあえず露出件数だけ月次で報告しているんですが、これで良いのか不安で」
つまり、「広報は経営の一部」という言葉は浸透したものの、
日々のレポートや指標設計をどう変えていくか は、まだ手探りの現場が多い、という感触です。
私自身、ベンチャー経営やマネジメントを経て広報に携わるようになった立場なので、
「経営の言葉」と「広報の言葉」が微妙にかみ合わない瞬間を、何度も目にしてきました。
今回の記事は、その“すき間”をどう埋めるか、という話でもあります。
バルセロナ原則4.0を、現場目線で読み直してみる
原稿では、アップデートされた「バルセロナ原則4.0」をベースにしつつ、
- 目的から始める(何のためのコミュニケーションか)
- アウトプット/アウトカム/インパクトを分けて考える
- 定量と定性、両方で成果を見る
- データやAIを使う時の倫理・ガバナンスもセットで考える
といったポイントを、実務の現場でどう落とし込むか を整理しています。
バルセロナ原則って、「PR指標の教科書」として名前だけ知っている人も多いのですが、
改めて読むと、「何を測るか」だけでなく、
「そもそも何のために測るのか」「何は測らなくて良いのか」 まで踏み込んでいるんですよね。
記事の中で書いた具体例
詳細はぜひ本誌を読んでいただくとして、blogではエッセンスだけ。
1. 経営指標から逆算して、広報のKPIを設計する
いきなり「広報KPIを決めましょう」と考えるのではなく、
- 売上、解約率、採用目標など、経営・事業KPIをまず棚卸しする
- その上で、「広報や情報発信で寄与できるポイント」を逆算していく
という順番を提案しています。
例えば採用なら、
「露出件数」だけでなく「指名応募比率」「一次面接の合格率」「社員紹介経由の応募比率」など、
経営のスライドにも出てくる数字と、ちゃんとひもづく指標 を一緒に見にいくイメージです。
2. アウトプット/アウトカム/インパクトを一枚に描く
もう一つは、よく言われる三段階を、図にして共有してしまう方法です。
- アウトプット:記事本数、イベント登壇、コンテンツの発信数など
- アウトカム:サイト遷移率、滞在時間、「どこで知ったか」の内訳など
- インパクト:応募数、成約率、定着率といった事業寄りの結果
これを一枚の図にしておくと、
経営陣と広報チームが「今どこまで追えていて、どこから先はまだ感覚値か」を話しやすくなります。
コミュニティづくりや共感のような“静かな価値”も、どのレイヤーに現れているのか、少し見えやすくなります。
データがあふれる時代だからこそ、「何を見ないか」も決めたい
今は、ツールを入れれば、メディアもSNSもウェブも、ほぼ何でも数値化できます。
だからこそ逆に、
- レポートは分厚いが、会議の中身はあまり変わらない
- ダッシュボードは立派だが、現場のアクションにつながらない
という状況にもなりがちです。
バルセロナ原則4.0は、「これを測れ」というチェックリストと言うより、
自分たちなりの“測り方の設計図”をつくるためのガイドライン に近いと感じています。
皆さんの現場では、どこから見直したいですか?
今回の寄稿は、私自身にとっても、
バルセロナ原則を読み直しながら、自分の頭の中のコンテキストを整理し直す良い機会になりました。
- 経営と広報のあいだを、どこからつなぎ直すか
- どの数字を追いかけ、どの数字はあえて見ないか
- 共感やコミュニティのような価値を、どう扱うか
あなたの現場なら、まずどこから手を付けてみますか?
「ここがモヤモヤしている」というポイントがあれば、どこかで一緒に言語化してみたいなと思っています。
※バルセロナ原則4.0の原文は、AMECのサイトから無料で読めます。
英語ですが図が多いので、眺めるだけでもおすすめです。
Barcelona Principles 4.0(AMEC公式)
ガイドライン(PDF)
また該当の記事はこちらで公開されております。(会員登録必要)
https://www.sendenkaigi.com/marketing/media/kouhoukaigi/gd93e_vfes4/








