「広報相談室」βテスト、6日間の現場レポート。

先日公開した「日比谷尚武の広報相談室」、想像以上にたくさんの方に触っていただけているようで、少し驚きつつも、どこか「やっぱりな」という感覚もあります。
βテストを開始してから今日までの6日間で、130名の方に利用いただきました。 総質問数は569件。 なかには一人で78回も問いかけてくれた猛者もいて、もはや僕の分身とディープな対話を繰り広げている様子が目に浮かびます。
なぜこんなものを作ったのか、その背景にある僕の「戦略的なお節介」の思想と、見えてきた現場のリアルについて、少し整理しておこうと思います。
(作成の経緯はこちらの記事👇に)
1. 現場には「誰にも言えない」切実な悩みが溢れている
今回、寄せられた相談を眺めていて改めて感じたのは、広報という仕事の「孤独さ」です。 教科書的な「広報の正解」を読んでも解決しない、非常に泥臭くて、当事者にとっては切実な問題が並んでいました。
特に印象的だったのは、**「マーケティング部門が勝手にリリースを出してしまう。どうやってコミュニケーションをとればいい?」**という悩み。 これ、組織の力学や人間関係の機微が絡む話で、まさに僕が向き合っている「広報=態度変容」の縮図だなと感じました。 広報は単なる露出獲得のツールではなく、社内の「空気」や「期待値」を設計する仕事なんですよね。

全体利用ボリューム:ユニークユーザー数130名に対し、総セッション数は164回、やり取りされた総質問数は569件に達しました。
利用密度の傾向:1人あたりの平均質問数は4.4件、中央値は2件です。
特定のユーザーによる深い対話も見られ、最多利用者の質問数は78件を記録しています。
リピート率と定着度:1回のみの利用で終了したユーザーは40名(31%)に留まり、全体の約7割にあたるユーザーが2回以上の質問を行なっています。
なかでも5回以上質問したヘビーユーザーは32名(25%)に及びます。
ユーザー評価(フィードバック):👍👎ボタンによる任意回答の結果、高評価39件、低評価12件となり、高評価率は76%となりました。
補足: 1回きりの「お試し」で終わらず、7割近い方が継続的に問いを重ねている点は、この試行錯誤のプロセス自体に価値があるのかも。
76%という評価を一つの基準としつつ、残りの24%にある「届かなかった違和感」を、今後の精度向上への材料にしたい。
【相談内容のポートフォリオ】 寄せられた質問をカテゴリー分けすると、面白い傾向が見えてきました。
- 1位:プレスリリースの書き方(約20%):具体的な「型」を求める声
- 2位:スタートアップのPR戦略(約20%):ゼロイチのフェーズでの迷い
- 3位:メディアへのアプローチ方法(14%):「届かない」という壁への突破口
- 4位:広報担当者として最初にやること(13%):何を捨てて、何に集中すべきか
- 5位:炎上対応(8%):守りの広報・リスクの許容
上位5つのカテゴリで全体の約75%を占めています。 でも、僕が本当に面白いと思うのは、残りの25%に含まれる「地方の工務店がカンブリア宮殿に挑むには?」といった、一見無謀に見える、けれど熱量のある「異端(Heretics)」な問いかけだったりします。
2. AI日比谷は、現場でどう答えているのか?
「AIがどこまで使い物になるのか?」と気になる方もいると思うので、実際のやり取りを一つ紹介します。
問い:自社サービスのUSPをどうやって見つけたらよいか?
回答(AI日比谷): USP探しって、意外と自社を見つめすぎるから迷うんですよ。
大切なのは「相手の視点」に立つことです。
具体的には、競合と自社を並べて、顧客がどう選んでいるのかを観察することから始めるといい。営業現場での商談理由、採用面接での志望動機、カスタマーサポートへの問い合わせ内容——こういう「選ばれた理由」の中に、実は本当のUSPが隠れています。
あともう一つ。「機能」でなく「その先」を考えてみてください。
セールスフォースは「CRM」じゃなく「顧客との関係性を変える」ことを売ってますよね。
Sansanも「名刺管理」から「営業DXのパートナー」へ言い換えた。
機能では埋もれるけど、その機能で顧客の何が変わるのかを語ると、USPが見えてくることが多いです。
まずは、営業チームに「なぜお客さんは僕たちを選んでくれるんだろう」と聞いてみては?
……手前味噌ですが、僕が憑依しているような、いい感じの「お節介」具合です。
3. 期待値を盛りすぎない、けれど「体温」は残したい
今回のAI相談室は、僕が持っている過去の登壇資料や記事、あるいは僕自身の「思考特性」を学習させています。
高評価率が76%という数字を見て、少しホッとしています。 一方で、12件の「👎」も大切にしたい。 AIは完璧ではありません。でも、深夜に一人で悩んでいるとき、あるいは会議の直前に一点突破のアイデアが欲しいとき、僕の「分身」が隣に座って、一緒に考えを整理する。 そんな「共犯者」としての役割が少しでも果たせているのなら、作った甲斐があったというものです。
僕は常々、「Why > How」だと言っています。 ツールの前に、まず設計図を。 「年間計画をどう立てればいい?」という問いに対しても、イベントのスケジュールを追いかけるのではなく「獲得したい認知」から逆算する。 この視点を持つだけで、広報の生存率はぐっと上がるはずです。
皆さんなら、このAIに何をぶつけますか?
広報の現場は、今日も正解のない問いで溢れています。 「AIに壁打ちして解決する悩み」と「最後は人間がわざわざ足を運んで、空気を感じて決めるべきこと(現地主義)」。 この境界線を探るプロセス自体が、僕にとっては最高の「人間理解の筋トレ」になっています。
まだ触っていない方は、ぜひ僕の分身に意地悪な質問でも投げてみてください。








